アニメ「すばらしきこのせかい The Animation」が原作プレイ済から見たらどういう感想・評価になるか?
原作ネタバレ込み・ありのままの意見を述べていこうと思います。

筆者は原作プレイ済です




総合評価すると?
一言で表現すると、独特・尖っている作品を良くも悪くも万人アニメ用に丸くした。
これにつきます。
そのため原作プレイ済から見ると物足りなく感じるかもしれません。
最終回12話がうまく解説もまとまっていたため、評価が終わりよければ全て良し風味になりました。
原作は原作、アニメはアニメとして割り切ってみた方が楽しめます。
作画が綺麗なところと、原作ボイスを随所に入れてくれるところが魅力です。
アニメ版独特のすばらしきこのせかい特徴
アニメ版独特のタックル
すばらしきこのせかいの特徴として二人一組のパートナーで信頼・協力することが重要視されています。
アニメ版ではそのパートナーとの信頼・助け合いを演出するときに目立ったのがタックルです。
つまり戦闘時にパートナーを敵から庇う・助けるアクションです。
アニメ版シキ編・ヨシュア編・ビイト編で全員がお互いに一度以上やっています。
戦闘シーンはアニメ版でもとても力を入れているなと思いました。
アニメ戦闘時に使用バッジが一瞬見える
演出でサイキックを使用する際に、初めて使用するバッジに限り一瞬だけ見えるようになっています。
アニメ版でネクは基本炎系(パイロキネシス)を主軸。
原作プレイ済にとってはどのバッジが使われているか気になり退屈させません。
アニメ化でよかったところ(ネタバレあり)
OPが原作と同じ「Twister」
最初は別のOP曲の予定でしたが、色々あって急遽変更に。
そして出てきたのが「Twister -Animation OP ver.-」。
原作OPと同じ曲であり、プレイ済みの人にとっては嬉しい誤算。
Twisterはすばらしきこのせかいの代名詞ともいえる曲です。
エリの描写が増えた(4話、9話)
シキ編が1~3話完結とかなり急ピッチでカットが多いため、シキに関する描写が薄いのではないかと危惧。
代わりに出番が増えたのがシキの親友、エリの存在。
アニメオリジナルで、エリがシキのための花を購入するシーンが追加されました。
+アニメ版エリは制服姿の出番が多く、シキの私服とは異なる点も。
9話ではシキと同じ私服で登場。友人と一緒にRGで話題のレッドスカルバッジを欲しがっている描写が追加。
ヨシュアの異様な強さがわかりやすい(アニメ版6、7話)
ヨシュアは序盤、物を飛ばす戦法をメイン。
中盤以降は突然、高エネルギーを光柱として出現させるというチートじみた強さを見せてきます。
アニメでは羽が飛び散る演出が追加されました。
原作ではさらっと使えるようになっていましたが、アニメ化で明らかにヨシュアが異様な力を持っている謎の多いキャラクターとして印象づけられました。
ヨシュア編はアニメでも高評価です。
ライム・ライムノイズのシーン追加(アニメ版9話・11話)
序盤退場するも、ビイトの回想で度々出てくるライムの存在。
原作ではビイトが言っただけでシーンはなしでしたが、アニメ版9話で死神のゲームに参加する直前の事故のシーンが映像化。
ビイトが親と喧嘩をきっかけに家から飛びだし、ライムが追いかけてなだめようとする。
暴走車がライムに突っ込みだして・・・・・・。
アニメ版ライムノイズは原作と違いバッジにされていないためか、出番がかなり増えアニメ11話コニシ戦で大活躍。
卯月と狩谷はばっちり活躍
この二人の活躍が見たい!と思う人にはアニメ版は好評でしょう。
ほどほどに出番も多いため、不遇ではない部類です。
アニメでは食事のシーンが入ったりなど、敵としてでなく日常的なシーンも入れているのが印象的。
死神で参加者の敵でも借りはすぐに返すところもあり「あくまで仕事で敵対するが、人情もある」のが強調されていました。
新作続編で登場するからか、出番も描写も濃く優遇レベル。
原作必殺技ボイスがアニメの戦闘シーンに使用
原作ゲームの必殺技時に使用していたセリフがアニメ戦闘シーンで使用されています。
※シキの必殺技ボイスはアニメで確認できず
アニメ4話:ヨシュア必殺技レベル1「ネク君いくよ!」「勝手に決めるな!」
アニメ4話:ヨシュア必殺技レベル2「お気に召すかな」「当然だろ(アニメでは未使用)」
アニメ7話:ヨシュア必殺技レベル3「別世界へ!(アニメでは未使用)」「誘ってあげるよ」
アニメ8話:ビイト必殺技レベル1「ボヤボヤすんなよ!」「お前もな!」
アニメ9話:ボイスはなし。演出面でビイト必殺技レベル2(鎖を利用して攻撃)、レベル3(波乗り攻撃)が使用。
アニメ10話:ボイスはなし。演出面でビイト必殺技レベル2(鎖を利用して攻撃)使用
アニメ11話:ボイスはなし。演出面でビイト必殺技レベル2(鎖を利用して攻撃)使用。シキが敵として必殺技レベル2(にゃんタン分身)レベル3(にゃんタンの目からビーム)を使用。
アニメ12話:ボイスはなし。演出面でビイト必殺技レベル2(鎖を利用して攻撃)使用。
必殺技ボイスに限らず、原作スキャン時の「集中しろ」「感覚を研ぎ澄ませろ」もアニメの戦闘シーンで使用されています。
シキ編本当に不遇では?



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最終回12話の補足説明が親切
駆け足気味のシナリオでしたが、最終話後半で羽狛とヨシュアの補足説明が原作より結構親切。
これまでの伏線部分、謎部分(南師&羽狛&ヨシュアはなんだったのか)を一気に解消してくれました。
原作だとクリア後にシークレットレポートを集めないと南師&羽狛のことを知ることができません。(=原作の場合ただエンディングを見るだけだと謎のまま)
アニメ版はまとめ方が上手かったので最終話はかなり評価がよかったです。


アニメ化のいまいちなところ(ネタバレあり)
主要キャラクターの性格が原作よりマイルド
原作の主要キャラクターは序盤から中盤まで味方同士でギスギスするくらいには個性が強い性格です。
特に主人公のネク。
原作ネクはシキ編の7割くらい疑心暗鬼・他者への拒絶(を象徴するヘッドフォン)・非協力的な態度でしばしばシキやビイト等と対立を起こしていました。
性格がマイルドになったを悪くいうと、全員最初からただの良いキャラ・扱いやすいキャラに。
物語をスムーズに進行させるためとはいえ、キャラクターの精神的成長がいまいちわかりずらくなりました。
原作BGMがそんなに使われない
1話~2話あたりまでは「calling」や「It’s So Wonderful 」など原作ゲームで聞きなれたBGMが聞こえてきましたが、3話以降で一気にアニメオリジナルBGMに。
ゲームと同じ人が音楽を担当しているようですが、音楽インパクトは原作の方が強かったなあという印象です。
特にバトル系の曲。
すばらしきこのせかいの高評価の一つに音楽BGMで支えられていた面があるため、仕方のないことですが少々寂しく感じます。
アニメ化は良くも悪くも「尖っている部分を丸くした」感が否めません。
ちなみにラスボス戦でツイスターは流れませんでした。
アニメ版シキ編が全体的に描写不足
パートナー描写の中で一番不遇なのでは?といわんばかりの超絶カットぶり。
一人だけ3話だけに収めるとなるときつかったらしいと証明されたようなものです。
原作必殺技ボイスが一人だけ一度も採用されず…。
シキのコンプレックスの話を数分で解決したためか、東沢の存在が空気レベルに。
アニメ版シキ編は「アニメ版すばらしきこのせかいがどういうものかのチュートリアル」と解釈した方がいいかもしれません。
シキについて詳しく知りたい方は原作をプレイした方がいいでしょう。
アニメでバッサリカットされたもの
尺を理由にかなりバッサリカットされています。代表的なカットは、
・サブイベント:マーブルスラッシュ関連、マコトの脱サラ(ラーメン)関連
・死神さん(こっくりさんのようなもの)占い
・シキの本来の容姿描写(携帯の待ち受け)
・ネクの極度の他人嫌い
・ライムノイズがバッジ化されない
等々
評価グラフ
まとめ
・アニメ版シキ編(1~3話)は描写が物足りなく感じた△
・アニメ版ヨシュア編(4~7話)は演出面などまとまりが良いと思った◎
・アニメ版ビイト編(9~12話)は終盤解説が親切で評価が上がった○
・良くも悪くもアニメ版は丸い
・戦闘シーンは原作ボイスが随所にあり楽しめる
原作プレイ済みの筆者から見るとアニメ版はこんな感じの評価になりました。
シキ編がチュートリアルでヨシュア編からが本番なのかな、という印象の盛り上がり具合。
伏線はもちろん序盤から散りばめられており、見るのは楽しいです。
例えばヨシュアがシキ編1話に実はこっそり画面に出ていた…など。
今気づいた方はアニメ動画で確認してみてください。



